うつ病で休職。復職が不安・・・

2022/4/12 最終更新

休職中の生活はどのようなものでいらっしゃいましたか?

規則正しい生活を送り、健康的な食事をとり、心身の調子を整えるべく、準備を進めてこられたと思います。それでも、いざ復職となれば、心が揺らぐものです。

  • うつ病による休職からの復職はだれもが不安

    「長い間離れていた現場になじめるだろうか・・・」
    「自分の居場所はまだあるだろうか・・・」
    「何より、また心身の調子が悪化しないだろうか・・・」

     

    考える時間があればこそ、悪いイメージばかり浮かんでくるかもしれません。
    と、いうのも人間というのは、悪いことを探すのが得意な生き物です。

     

    皆さんの記憶を掘り起こしてください。すぐに見つかるのは、良い思い出より悪い思い出、つらかった出来事などではないでしょうか。
    つまり、復職という大きな転機を前にして、不安を感じるなというほうが無理な相談なのです。

     

    不安を感じるというのは、極めて自然な人間心理だと考えてください。あなただけではなく、だれもが通ってきた道であり、通っていく道なのです。

  • 復職前の休職中の正しい過ごし方

    ※イメージ写真です

    とはいえ、何の手も打たないままというのも、さらに不安になりますよね。
    では、復職直前の休職期間をどのように過ごせばよいか、基本的な考え方をお伝えしたいと思います。

     

    一番大切なのは、休職期間に作り上げた生活リズムをくずさないこと。これが大原則です。

     

    休職期間中、主治医より生活リズムについて指導を受けていたと思います。
    もっとも基本的な生活リズムといえば、睡眠時間ですが、就寝時間・起床時間を守ることは復職前だからこそ徹底してください。

     

    人間には体内時計(サーカディアンリズム)が備わっています。これがあることで、人間は意識しなくても、活動モード・休養モードに身体の状態を切り替えることが可能になります。

     

    ところが、この体内時計は25時間という周期で変動します。1日は24時間です。つまり、そのままにしておくと毎日1時間ずつ身体のモードがずれていくことになります。
    このようなずれをリセットするために有効なのが、日光を浴びることや決まった時間に起床する、ということなのです。

  • 生活リズムを徹底し、復職する日をむかえましょう!

    体内時計のずれは睡眠の障害を引き起こす原因になるといわれています。
    休職中、就寝時間・起床時間を規則正しくするように指導されていたのは、このためです。睡眠障害は心身の不調を引き起こす大きな要因になります。
    その要因を取り除くためにも、復職前という大切な時期こそ、生活リズムを崩さないよう努めてほしいと思います。

     

    手帳や生活記録表などを活用し、毎日の睡眠について記録をつけるのも有効です。
    自分の生活が整っているのが一目瞭然ですし、同じ起床時間がずらりと並んだ記録を見るのは、達成感にもつながるのではないでしょうか。

    自分の努力を自信につなげ、復職の日をむかえましょう。

藤澤 佳澄
執筆:藤澤 佳澄
執筆:藤澤 佳澄
大阪大学 大学院人間科学研究科 博士後期課程単位取得退学。大阪大学非常勤講師をはじめ、各種教育機関で教鞭をとる。 メンタルクリニックにて十年弱心理職として従事。「体験型ワークで学ぶ教育相談」(大阪大学出版会)一部執筆。現在は特定非営利活動法人Rodinaの研究所にて、リワークを広く知ってもらうための研究や活動をおこなう。