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テレワークうつの危険性。メンタルヘルス維持のために対策を

新型コロナウィルス感染拡大により、従来の通勤型の勤務から、在宅勤務を含めたテレワークへの移行が急速に進みました。テレワークとはインターネットを活用し、勤務場所や勤務時間にとらわれず、柔軟に働くやり方です。そのなかでも勤務場所を自宅に設定するものを在宅勤務と呼びます。

このような多様な働き方はメリットも大きいのですが、自粛によるテレワークはストレスにつながることがあります。結果として、精神的な不調をきたし、うつ状態を発症するケースも出ています。

このようなメンタルヘルス不調をきたさないためにどのような予防策がとれるか、ご紹介したいと思います。

  • 仕事とプライベートを切りかえる。メリハリをつけた生活で、テレワークうつを予防しよう

    テレワークうつの危険性。メンタルヘルス維持のために対策を
    ※イメージ写真です

    テレワークのなかでも在宅勤務は特にメンタルヘルス不調をきたしやすい環境と言えるでしょう。

    自宅という、本来仕事とは切り離された場所が職場となり、オンとオフの切り替えが難しいという状況が生じます。

    自宅というプライベートな空間は、仕事を忘れ、心身にエネルギーをチャージするための憩いの場所であるはずです。そこに常に職場を連想させるものが存在するとなると、職場での緊張感が持続し、リラックスできる時間や空間が失われます。

    大げさに言えば、二十四時間職場にいるように感じることもあるかもしれません。このような緊張状態はストレスとなり、メンタルヘルスの不調や自律神経の乱れなどにつながります。

    想像してみてください。しめきりが迫っている案件が山積みになっているテーブルのそばで、ゆっくりと眠りにつけるでしょうか。多くの方は仕事が頭から離れず、気になりつつ眠ることになるはずです。

    このような環境での睡眠は質が良いものにはならず、なかなか寝つけない、夜中に何度も目が覚める、ぐっすり眠れた気がしない、など不調感をもたらします。睡眠の不調とうつとの関連はこれまでの研究でも示唆されています。

    うつ状態を予防するためにも、質の良い睡眠を確保していただきたいと思います。

    そのためにも、在宅勤務だからこその工夫を凝らしてください。業務時間は、通勤していたときと同じように身だしなみを整え、オフィスにいるときと近い感覚を維持する。

    その代わりに、業務が終われば、リラックスできる部屋着に着替え、プライベートの感覚を取り戻しましょう。

    部屋着に着替えたら、仕事のことは忘れ、手をつけないように心がけるのも大切です。

    これまで、通勤や出社という形で物理的に切り分けられていたオンとオフを、意識的に切り替えることが重要になってきます。

  • 不調になったときの相談先一覧。ひとりで抱え込まず、速やかに報・連・相を

    なかなか寝つけない、夜中に何度も目が覚める、朝早くに目が覚めてしまうという睡眠の不調や、気分の落ち込み、集中力の低下、自分がダメな人間である気がしてつらい、憂うつでたまらない、などうつ病の症状は様々ですが、このような症状が二週間以上続いているときは、できるだけ早く病院を受診することをお勧めします。

    速やかな受診は大切ですが、受診しなければならないほど調子を崩す前に、セルフチェックをおこなう習慣も身につけましょう。

    いつもの自分と比べて仕事の能率が上がらない。

    人と会うのがおっくうで、話もしたくない。

    など、予兆と思われる不調感があるはずです。状態を悪化させる前に、何らかの対策を講じることも重要です。そのために、あらかじめ、相談先リストをまとめておくことも予防策として有効です。

    自分の周囲にどれだけ援助を求められる相手がいるか、相談できる機関があるか、を見える化する作業でもあります。

    たとえば、「仕事の内容に関しては上司Aや同僚B」、「職場での人間関係や対人トラブルは人事部のC」、「日常生活や健康面を支えてくれる家族」、「日々の愚痴を聞いてくれる友人」、「健康問題に関しては主治医や医療機関」、また場合によっては「地域の公的機関」など、整理することが可能です。

    このような一覧を作ることで、自分が困ったときに、誰に助けを求めればよいか一目瞭然になります。問題別に分けておくと、さらに相談先がわかりやすくなるでしょう。

    日本人は辛抱強く、我慢することをよいと考える傾向がありますが、それで調子を崩しては本末転倒ではないでしょうか。

    仕事のトラブルでも、早いうちに上司に相談しておいたおかげで問題を迅速に解決できたという経験を持つ方もおられると思います。

    メンタルヘルス不調の問題も同じことです。

    在宅勤務になってから、集中力が持続しなくなった。やる気が出ず、ふさぎ込んでいる時間が増えた。自分の仕事を本当に評価してもらえるか不安でたまらない。など、不調感に気づいたら、その段階で相談しましょう。

    このような場合は、自分がもっとも話しやすいと思える相手を選ぶとよいでしょう。

    誰かに助けを求めるというのは勇気がいることで、その一歩を踏み出すまでが試練かもしれません。

    ですが、あなたがきっとそうするように、あなたの身の回りの方も困っている“身内”を見捨てるような真似はしません。親身になって、相談に乗ってくれるはずです。

    勇気を出して「困っている」と伝えてみてください。

    また、このような見える化の作業により、自分の身の回りには思いのほか頼れる人たちがいるのだと確認することもできるようになります。心強いサポーターが存在すると見える化しておくことは安心材料につながります。

  • 孤立を避けて、コミュニケーションを密に取ろう

    テレワークの浸透はメリットと同時にデメリットも生み出します。

    職場に出勤するという行為は生活リズムを整えるだけでなく、自分がそこで何かしらの役割を果たしているという充足感を与えてくれました。もちろん、在宅勤務でも仕事をしていることに変わりはないので、このような充足感を得られると考えるのが普通です。

    ところが、不思議なもので、職場という集団のなかで勤務するのと、個人(1人)で勤務するのとでは、安心感が違うのです。心理学者のマズローは、人間には帰属欲求が備わっていると提唱しています。

    帰属欲求とは集団や組織の一員として存在することで、つながっている感覚や、受け入れられている感覚を得たいというものです。

    この欲求が満たされないと、人は孤独を感じ、他者からの評価や対人関係に対する不安といった社会的不安を感じるようになります。

    このような不安は強いストレスとなり、メンタルヘルスに悪影響を及ぼします。

    集団のなかにいれば、誰かが不調に気づいてくれるかもしれませんが、孤立した状態ではそれも難しいでしょう。

    家族と同居している場合は家族の援助が得られますが、独居の場合はそうもいきません。

    独居のビジネスパーソンの場合、特別注意が必要なのはこのためです。

    テレワークを中心とした勤務体制の場合は、意識的につながりを作ることが重要です。毎朝の朝礼や定期的なミーティング、可能であるなら、雑談のための場をオンライン上で準備するのも効果的です。

    そうすることで、職場のメンタルヘルス不調者にいち早く気づくこともできますし、個々のメンバーも集団のなかで働いているという意識が高まり、不安感が低減します。

    もし、あなたが今、まったく孤立した状況で働いていると感じていたら、信頼できる相手に相談してください。自分のメンタルヘルスを守るために、このような場を設けてほしいと依頼してもよいと思います。

     

    今、自分が置かれている環境を見直してください。働いているけれども、一日誰とも口をきかず、顔を合わせることもない、ということはありませんか。

    もし、そのような環境で勤務しているなら、意識的に人とのかかわりを持つように心がけてください。

    職場の同僚でも、プライベートな友人とでも構いません。人との結びつきというあたたかな安心感があなたをメンタルヘルス不調から守ってくれるはずです。

公開日 2020年8月11日

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